マーケティング戦争 全米No.1マーケターが教える、勝つための4つの戦術という本を読んでみました。戦争とマーケティングにおけるセオリーやとるべき行動がどれだけ共通するものなのか、について説明された本です。
20年以上前に書かれたものだそうですが、今でも通用するものばかりです。
たくさんの事例も紹介されており(むしろ多いくらい。全276ページ! 本の束がかなりの厚さですw)かなり興味深いですが、まとめると以下のことが重要のように思われました。
マーケティングの戦略には4つの象限がある。
- 防衛戦
- 積極攻撃
- 側面攻撃
- ゲリラ戦
防衛戦はトップ企業がとるべき戦略ですね。最善の防衛策は「自社商品が陳腐化してしまうような新商品だとしても投入して行くこと」だそうです。これはイノベーションのジレンマにも通じるものがありますが、自社の既得権益を考えない積極的攻勢ということになるでしょうか。またトップ企業にはどうしても驕りが出てきてしまうもの。2位以下の会社から攻撃を受けた場合には見過ごさずに交戦することが必要とのことです。
積極攻撃は2位の企業がとるべき戦略。トップ企業の強みを考え抜き、そのポジションを狙うことになりますが、その強みの中に潜む弱みにつけ込むことが大切とのこと。またできるだけ戦略を絞り込み、ある商品やある製品ラインで勝負をする必要がある。
側面攻撃は規模の小さい会社に有効な戦略。例えばこれまでにない市場を狙った製品を開発してみるなど、不意打ちが中心になりそうです。さらに一度成功した後はそれで満足せず追撃してその地位を確たるものにする必要があるとのこと。これができるくらいの十分な資金や人的リソースがないのであれば、側面攻撃ではなく次に紹介するゲリラ戦を仕掛けるべきと本には書かれています。
ゲリラ線はローカルな企業などに向いている戦略。自社で守れる規模の市場をちゃんと見極める必要があるとのこと。これは言い換えると売る場所、地域や対象となる顧客のターゲティングをきめ細やかに行うことではないかと思います。また、ゲリラはあくまでゲリラなので、大企業のように振る舞わないことが大事とのこと。またいつでも退却や参入することが必要。大企業にはないスピードがゲリラ戦で最も重要視されそうです。たいていの会社はこのゲリラ戦略を採ることになると本の中では言われています。
最後に印象に残った言葉を1つ。
戦いは店舗で行われるのではなく、顧客の心の中で起きる。
とのこと。これはかなり印象に残りました。