スカーレットヨハンソンが声優をしているAIの映画。主人公の男性は現実から逃げている。一生分の感情を感じて、これから新しい感情はわかないのかもと恐れている。今後感じる感情は今までの感情の劣化版でしかないと思っている。
すこしわかる。きっと一人で得られる感情はここまで生きてくると感じきったんだと思う時もある。まだ経験できていないこともたくさんある。それを体験したときにどう自分が思い、感じるのかはわからない。すくなくともいったことがない場所や、家族を作って生活をしていくという体験がすぐに思いつくが、それが一番手っ取り早く自分に「新しい感情」を生み出してくれる方法なのではないかと。
自分のことはいったん閑話休題。そう思っている主人公と、この世に生まれたばかりで、新しい感情を得続けるAI。何に対してもみずみずしい反応と興味を示すその姿はかなり対照的。きっと親が子供に対して抱く感情や愛がこういうものなんだろうな、と思う。
それ以外に「過去は自分でつくりだしている、自分で劣っていると言い聞かせている」「自分以外のものになろうとしない」というセリフ。これも長い人生を過ごしてきていて、凝り固まった「自分の価値観」を持ち続けることに対するこの映画から視聴者へのメッセージなのではないかと思う。
新鮮な気持ちをもっているキャサリンにいつもの感情が何なのか、当たり前と思っている感情が何なのか、そして愛とは何なのかを教えてもらえる映画かな。