デジタルマーケティングに取り組むITリーダーの心得

先日仕事で参加したセミナーのメモ。

なぜデジタルマーケティングが注目されるようになったのか。

  • 記録として残る
    • 容易な複製・再利用
    • 事実がわかる
  • 一括大量高速処理が可能
    • 安価に済ませることができる
    • 一度実行したら修正が難しい
  • 膨大なデータの取り扱い
    • 慎重、厳格な管理が必要
    • 分析力が差別化要因となる

マーケティングアプリケーションを導入する際の留意点

  • デジタルであるか否かに関わらず、マーケティングアプリケーションは「目的」の達成を支援するものではなく、「手段」を提供するものである。
  • 「目的」の達成は「手段」の選定によってではなく、「手段」をどのように使うかによって決まる。
  • 1つの製品/ソリューションが全ての「手段」に対応しているわけではなく。往々にして「手段」複数選定することで「目的」の達成が効果的に支援される。
  • 各社、また各業界によって適合する機能は異なる。自社の「要件」を明確にしたうえでアプリケーションの適正を評価する。
  • 市場(顧客)の変化に備えるため、常に何らかの変更を想定する。そのためライセンス型の製品よりも、サブスクリプション方製品のほうが低リスクであることが多い。

IT部門に求められる2つのモード

  • これまでの従来的モード
    • 目標:信頼性
    • 価値:システムパフォーマンスに基づく
    • アプローチ:ウォーターフォール、体系的な展開、コード凍結
    • ガバナンス:計画手動、承認ベース
    • ソーシング:全社的取引のサプライヤー、長期的取引
    • 能力:従来型プロセスとプロジェクトに長ける
    • 文化:IT中心で顧客から遠い
    • サイクルタイム:長期間(月単位)
  • これからのデジタルビジネス的モード
    • 目標:俊敏性
    • 価値:イノベーション、生産的なUX
    • アプローチ:アジャイル、カンバン方式、使い捨て型アプリ
    • ガバナンス:反復的、継続的、プロセスベース
    • ソーシング:小規模な新規ベンダー、短期的取引
    • 能力:新たな不確実なプロジェクトに長ける
    • 文化:ビジネス中でユーザーや顧客に近い
    • サイクルタイム:短期間(日・週単位)

  • 組織構成1 従来からのマーケティング業務とIT要件の関係
    • 外部委託業者を含め、マーケティング担当者との情報・意見交換を積極的に行い、客観的なギャップの特定に努める。
    • デジタルのトレンドに鑑み、アジャイルの開発方法論などの迅速かつ柔軟なアプリケーションの実装方法を提案する。
    • 場合によっては、より効率的な組織体制を提案する。
  • 組織構成2 デジタル重視のマーケティング業務とIT要件の関係
    • デジタル系の最先端テクノロジーの追求だけでなく、自社の既存アプリケーションとの合理的な連携を氏やに入れたシステム化計画を立案する。
    • 複数のパーティーからなるプロジェクトを主導する。そのためにプロジェクト管理能力を向上させる。
    • スピード感や価値観の異なる複数のアプリケーションを実装・連携するために、バイモーダルアプローチを推進する。
  • 組織構成3 デジタル部門を設置した場合のマーケティング業務とIT要件の関係
    • 業務上の課題や採用テクノロジについてマーケティング部門との情報共有および相互理解に努める。
    • マーケティング部門にSandbox環境を提供し、イノベーションを支援する。
    • 既存のIT試算の活用により、マーケティング施策の効果の向上が見込める場合には、実現方法を提案し、協業に努める。
  • 組織構成4 デジタルとリアルが連携したマーケティング業務とIT要件の関係
    • 業務上の海内や採用テクノロジーについて情報交換や提案を行い、マーケティング部門や外部委託業者を含む関連組織との相互理解を徹底する。
    • アジャイル開発方法論などの迅速かつ柔軟なアプリケーションの実装方法を提案するとともに、既存アプリケーションとの連携を推進するために、バイモーダルアプローチを採用する。
    • プロジェクト管理スキルの向上に努め、ともすると利害関係が複雑に絡み合うようなプロジェクトを主導する。

デジタル時代の顧客中心的なアプリケーションを担うITリーダーにおける留意点

  • プロジェクト管理
  • ソリューション提案/製品選定
    • 増加する複数部門(外部組織含め)との協業
    • アジャイル開発などの迅速な手法の採用
    • 顧客の変化に備える
  • 顧客単位でのアプリケーションの見直し
    • 投下コスト、品質、パフォーマンス…
    • 関連部門との情報共有・協力体制
    • 医師決定者への説明/協力取り付け

ガートナーの提言

  • デジタルマーケティングに取り組む前に、マーケティングの考え方および業務内容についての知識を習得する。その上で「デジタル」を含むマーケティングアプリケーションが持つ機会追求的な性質について理解を深める。
  • 自社におけるIT部門とマーケティング部門の形態に応じた先進的なアクションを実行する。組織が成熟するに従い、最終的には以下の取り組みを重視する。
    • 業務上の課題や採用するテクノ理事についての情報交換や提案を行い、マーケティング部門や外部委託業者を含む関連組織との相互理解を徹底する。
    • アジャイル開発方法論などの迅速かつ柔軟なアプリケーションの実装方法を提案するとともに、既存アプリケーションとの連携を推進するためにバイモーダルアプローチを採用する
    • プロジェクト管理スキルの向上に努め、ともすると利害関係が複雑に絡み合うようなプロジェクトを主導する。

デジタルの厳密な定義について

「デジタル」を、情報およびテクノロジについて電子的な対処が可能なすべての形式および用途と定義している。これは顧客、一般市民、従業員など様々な人が手にするスマートモバイル端末、ソーシャルメディア、自動車などの製品に組み込まれたテクノロジ、電気通信ネットワーク、工場内ネットワーク、スマートグリッドなど従来のITと業務的に組み込まれたテクノロジ、電気通信ネットワーク、工場内ネットワーク、スマートグリッドなど従来のITと業務的なテクノロジの統合、IoTなど、一企業の制御が及ばないものを包含するため、一般的な企業が定義する「IT」よりも範囲が広い。

マーケティングの意義、営業/販売との違いについて

例えばピータードラッカーは著書「Management」において、企業におけるマーケティング機能の意義、およびマーケティング活動と販売活動の違いについて、次のような説明をしている。

  • ビジネスの目的が顧客を創造するところにあるため、ビジネスを行う企業が持つべき機能はマーケティングとイノベーション、この2つだけである
  • 販売とマーケティングは同じ意味でないことはもちろん、補い合う部分さえない、正反対のものである。ある程度の販売活動は必要であるが、マーケティングの目的は、販売活動を不要にすることである。つまり顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせていくことで、おのずと売れるようにすることを目指すものである
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